リバーシ

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リバーシ-逆バージョン-

ヒロトがうちにやってきたのは夕食時。

仕事から帰ってすぐに2人分の料理を作って、食卓に並べた。


「おー、うまそ」

「えへっ、お味はどうかわかんないけど……」


実はこの料理には媚薬効果があると言われているアボガドやバナナ、蜂蜜とか唐辛子なんかをさりげなく使っているんだけどね。

いつもこういうことを考えて料理しているけど、ヒロトは料理に疎いし栄養のこともよく分かっていなさそうだから気づいてないんだろうな。


だからヒロトはドのつくSなのかも?


「ん、うまいよ、やっぱ菜子は料理上手だなぁ」

「お酒も飲む~?」

「や……、今日は遠慮しておく」


お酒を断ったのはこの間の二の舞になりたくないからかな?

そういえば色々テクニックとか探ってたけど、それをやるまでの過程をまったく考えていなかった。

あんなに毎日テクニックサイトを見て練習してきたのに!


「菜子、お前さ……」

「へっ?!」


気がつくと目の前にヒロトの顔が。


「また変なこと考えてねえだろうな……」

「い、え……」


ヒロトの目がキラリと光る。

低い声で言われると私はついつい怖気づいてしまって、ドM心が擽られた。

今日も私がヒロトを襲う予定なのにッ!


たぶん料理を食べている時からヒロトのドSスイッチは入っていたような気がする。

「うまい」って言いながら私のことをさりげなく見下ろしていた。


箸を置いたヒロトはにじりよじりと迫り寄ってくる。

まるで獲物を逃さないようにじわじわと追い詰めるような賢そうな獣。

追い詰められた先はベッドなんだけど。


「なぁ、これ何……?」

「へ……?」


ベッド下にあるあの箱を人差し指で引っ張り出された。

なんの封もしていないそれは中身が丸見えで、練習用に使っているバイブと、その他SMグッズがてんこもりになっているのを見られてしまった。


「また、凝りもせずこんなものを買ってたんだな」

「いや、それはこの間まとめて買ったもので……」

「このバイブ……、使った形跡があるな。まさか1人でやってたのかよ」


バイブを取り出して私の頬にその先端を押し付けた。

ヒロトは口元を歪めて愚弄する。


「ち、ちが……、入れてはないもん!」

「じゃあ何してたんだ?これで」

「んぐッ!」


バイブを口に捻じ込まれた。

容赦ない態度にヒロトのドSスイッチが完全に入ってしまったことを悟った。


「俺が気持ちいいバイブの使い方を教えてやる」