リバーシ

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リバーシ-逆バージョン-

吸引器を使われつつ、ヒロトの唇が私の耳を包んだ。


「ふぁッ!」


耳の内側をぴちゃぴちゃと音を立てながら舐められる。

その厭らしい水音にゾクゾクして、吸引器に吸い取られる愛液の量も増えていった。


「すげえな、菜子は。こんな濡らしちゃうんだから」


吸引器が外れないようにボトルを持ち上げてだいぶ溜まった愛液を見せられた。

少し濁った色をしている液を見て羞恥心が煽られる。


「あぁんっ、はぁっ、ふ……、恥ずかしい……っ」

「とか言いつつ垂れてきたけど?」

「……や、だってぇ……」

「ふっ、Mっ子はそうやって大人しくしときゃいいんだよ」


――Mっ子?


なぜかその言葉に悔しさがこみ上げてくる。

私が毎日してきた練習を否定されたように思えて。


「……っ、ねぇヒロト……ちゅう……して?」

「ん?しょうがねえなぁ……」


くすっと呆れたように笑うヒロトがキスをしようと私に顔を近づける。


「ん……」


優しく唇が触れ合った瞬間――、手錠を掛けられたまま両腕をヒロトに被せた。

驚くヒロトの背中に手錠をぐりぐりと押し付ける。


「痛ぇッ、おい菜子ッ!」

「私だってヒロトが痛がることはしたくないよ、……外してくれるまでこうするから」


両腕でがっちりと身体を押さえてるからヒロトは逃げれない。

というよりヒロトが付けてくれた手錠のおかげで外れにくくなっていた。


ぐりぐり手錠を背中に押し付けるたびに痛みで顔を歪ませるヒロト。

かわいそうだけど、可愛い。

さっきまであんなに意地悪だったヒロトが痛がってて可愛くてどうしよう。


「お前、このっ、わかったから止めろ!」

「んふっ」

「手錠外すだけだからな……」


両腕をもう一度あげて手錠を掛けられた両手を頭上に置いた。

ヒロトは「はあっ」と露骨にため息をついて私の手錠を外す。


「なんかお前襲いにくくなったな……」

「だってまだヒロトの可愛いところをみたいんだもん」


見つめ合っている隙に、私は吸引器を外した。


「ね、ヒロト~」

「なんだよ……、っ、うわ!」


甘えた声で名前を呼び、油断させたところで体制逆転。

ヒロトを床に組み敷いて上に跨ぐ。


「逆にヒロトは襲いやすくなったね?実は隠れMだったんじゃないのぉ~?」

「は?体制が逆になったくらいでいい気になんなよ」

「そう言っていられるのも今のうちだよ?」


私はさっき手にした吸引器から、容器を取り外した。


「見て?ヒロトのおかげでこんなに愛液が溜まっちゃったの」

「ああ、恥ずかしい奴だな。こんなにいつも濡らしてんだから」


プライドの高いヒロトはこの体制のまま私に立ち向かうつもりらしい。