リバーシ

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今日はヒロトがうちに遊びに来る日だった。

汚い部屋は見せたくないと朝から掃除機を掛けていた。


その時、掃除機の吸引口に小型の段ボール箱が当たった。


「……これ、どこに置いておこうかな」


掃除機を一旦止めて、その段ボール箱を持ち上げる。

この中には女子の部屋にあるものとは思えぬものが入ってる。

段ボール箱を開けて中身の物を取りだした。


ネットで買ったSMグッズ。


ポピュラーな縄、手錠、猿轡から、Sな女が持っていそうな鞭。

あとその他色々用意してある。


これでヒロトを虐めて、私のように依存させたい。


私に芽生えてきた感情、それはドMとは正反対のドSな欲望。


ヒロトのように道具が無くても激しいテクニックを駆使してイかせるのが一番何だけど、そこまでの自信が持てない私はグッズを使う事にした。

ヒロトはもちろんこの事は知らない。

今日、まさか私に襲われるなんて夢にも思ってないだろう。


SMグッズをベッド下の収納スペースに隠すと丁度インターホンが鳴った。


「ヒロト~、いらっしゃい」

「おう、これお土産」

「え、きゃ~!なめらかプリン、超嬉しい~!入って入って」

「おっじゃまっしまーす」


ヒロトが買ってきてくれた私の大好物のプリンを冷蔵庫にしまいながら部屋に案内した。


鍛えられた筋肉質の身体がヒロトの誇りにしているところでもあった。

背筋もたくましくて、彼の後ろ姿を見る度うっとりしてしまう。

後ろから抱きついて背中を舐めまわしたくなってしまう。

私ってなんて変態なんだろう、と思いながら口元がにやけるのを止められない。


「おい、なにニヤニヤしてんだよ」

「!!な、なんでもないよぉ!」

「また俺の身体見てにやついてたんだろ?わかってんだよ、変態」

「う、うううう……」


でも、今日はちょっと違う理由だもん。


いつもなら腹筋にときめいてた。

でも今日は背筋にときめいたの、なんでかわかるでしょう?


「ヒロト、ハイボール作ってあげよっか。メロンソーダハイボール、結構イケるんだよ」

「へえ~、ちょっと飲んでみたいかも、作ってよ」

「はいは~い」


今日は私が襲ってやるんだから。

素面な状態で襲ってもきっと敵わない、だからお酒を飲ませる作戦。

そしてそのたくましい背後を取って後ろからいじめてやるの。


「ん、うまい!」

「でしょ、もっと飲んで?おつまみも作ったの」


こうしてヒロトは私の企みも知らずお酒を何杯も飲み、1時間足らずでふらふらになっていた。