ラストラブアフェア

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ラストラブアフェア

彼女には大切な人が沢山いる。


「ヒロトー!」


笑顔で駆け寄ってくる恋人を見て自然と笑みが零れた暖かい日差しの差す休みの日。

今日は朝から夜までデートの予定。


「どこ行く?先にご飯食べるー?」

「んー、行きたいとこはある?」

「そうだなぁ……」


並んで歩く菜子の手をさりげなく握ろうとしたその時、彼女は突然駆け出して行った。

行き場のない手をしばらく眺めて彼女の行方を目で追う。

そこには彼女の知り合いとして見覚えのある男女数人。


久しぶりの再開なのか俺に会った時よりも興奮している彼女の姿を見た。


「ヒロトー」


彼らから離れ俺のとこに戻ってきた彼女にホッとしたのも束の間。


「あのね、あの人達私の中学の友達!久しぶりに会ったから一緒に遊びに行こーと思って!ヒロトにはまた夜会えるし、いい?」

「は……?」

「これ逃したらいつ会えるかわかんないんだ、ごめん。まだ行くとこ決まってなかったし夜まったりしよ?」

「……」


また、友達を優先するのか。

俺がここで嫌だと言えば、束縛されたと怒るんだろうな。


「いーよ、行けば?」

「うんっ、夜には帰るから!私の部屋で待ってて、ね?!」


強く誓う彼女に俺の気持ちは冷めていっていた。

今日は一日一緒にいれると期待してたんだけどね。

これ、何回目だと思ってんのかな。


気持ちが冷めていく。

今日の夜、――菜子、あんたとは最後だ。