従順なこねこちゃん

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従順なこねこちゃん

「これ、何……?」


彼氏のヒロトが突然、黒の猫耳カチューシャを私の頭にはめた。


「ん?猫耳だけど」

「いや、見ればわかりますけど」


以前から「お前猫っぽい」と幾度となく言われていたけれど、こんなアイテムまでつけられてしまうとは。


――しかも、それだけじゃなかった。

猫耳ともうひとつ、鈴のついた革製のシンプルな首輪。

それもヒロトにつけられた。


「よしっ、にゃーって鳴いてみて」

「……」


何なの?いきなり……。

ふざけてる様子でもなく、笑ってでもなく、真顔で言ってくるところが嫌だ。


だけど鳴くくらいなら別にいいか、と私は欲求に応える事にした。


「にゃ、にゃぁ……」

「ふふ、可愛いね」


ヒロトはとても満悦そうだった。

そして私は、次の言葉を聞いて彼氏が変態である事を知る。


「その猫耳つけている間は俺の事ご主人様として慕って。あと、語尾はにゃあ以外禁止。」

「はい?!」


――そう、あの日から私たちカップルに奇妙な決め事が出来てしまったのだ。