従順なこねこちゃん

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従順なこねこちゃん

それから数日後。


「菜子、こっちおいで」


ベッドに座ったヒロトが自分の膝上を叩きながら私を呼ぶ。

普通なら返事は「うん」とかなんだけど……。


「にゃぁ」


今、私の頭には黒い猫耳が付けられていた。

返事をして首元で鈴を鳴らしながらヒロトのもとへ。


「ほら、ここ」

「にゃん」


ベッドに上がり、四つん這いになってヒロトの膝に頬を擦り寄せるようにして頭を預けた。


「よしよし。ご主人様がいっぱい可愛がってやるからな」


ヒロトの大きな手が私の頭を優しく包んで撫でてくれる。


「にゃぁ……、もう、変態なのかカッコいいのかわかんにゃいっ」

「そっかそっか、変態は思われてるの知ってたけどこの状態でもカッコいいって思われてるのか」

「じゃあただの変態っ、だにゃ」

「そう言って俺の事悪くいいつつ約束守ってくれるお前が好きだ!」

「きゃっ!」


ヒロトはUFOキャッチャーのアームみたいに両腕を開き、そして私を抱きあげ押し倒した。

おそるおそる見上げると私を見下ろしているヒロトの表情が真剣でドキッとする。


でもそんな表情が見れるのは一瞬だけ――。


「これ、犬だと服従のポーズなんだよな」


ひっくりかえったお腹を撫でながらヒロトは口許をにやつかせた。